離婚する夫婦も増える中で、社会問題にもなっているひとり親家庭の子育て。
そんな中で「本当に自分にできるのか」「子どもを幸せにできるのか」と、不安や申し訳なさを抱えるシングルパパは少なくありません。
今回は、ひとり親ならではの悩みや葛藤に寄り添いながら、アドラー心理学の視点から前向きに子育てを続けるための考え方をお伝えします。
ひとり親の不安を「不幸」と決めつけないために大切な考え方
昨年離婚してシングルファザーになりました。
正直、3歳の娘をひとりで育てていくのが不安だし、申し訳ないという気持ちでいっぱいです。
こんな私でもちゃんと子育てをしていくにはどうしたらいいでしょうか?
二人でも大変な子育てなのに、それを一人でやっていくのはさらに大変になるのは間違いないと思います。
不安なのはとても共感します。
お金のことをはじめひとり親家庭には不安が多いとは思いますが、それでも気持ちを切り替えていきたいですよね。
今回はその心構えについて一緒に考えていきましょう。
その経験をどう受け止めるか?
今回は、まずアドラーの言葉をお伝えします。
アドラー心理学のポイント
人生で大切なのは、『どのような経験をしたか』ではなく、『その経験をどう受け止めるか』である
アドラー心理学では、「認知論」という考え方があって、出来事の捉え方が人それぞれ違うと考えます。そして、その捉え方は自分次第で変えることができるのです。
今回で言えば「離婚してひとり親になった」という出来事について、どう捉えるか?
今のあなたは、その出来事をとてもネガティブに捉えているように感じます。
もちろん「離婚」や「ひとり親」ということは、願わくば避けたいことであり、ポジティブに捉えるのはなかなか難しいことだと思います。
ただ、必要以上にネガティブに捉える必要はありません。
「ひとり親になった娘は絶対に幸せになれない」とか「ひとり親では十分に愛情を注ぐことはできない」といった極端なイメージを持っているかもしれませんが、世の中にはひとり親家庭で育った幸せな人や、十分に愛情を注がれたと感じている人はいます。
そう考えると「離婚=不幸」という認知をしているとしたら、それは疑った方がいいでしょう。
まずはその状況を受け入れること
離婚に至ってしまった経緯はわかりませんが、夫婦関係を築いていくうえで、何かしら足りない部分もあるのかもしれません。
ただ、足りない部分は誰にでもあるもの。
あなたの場合は、たまたまそれが夫婦関係だっただけのことです。
離婚を失敗だと捉えて、必要以上に自分をダメだと思う必要はありません。
そんな事態になった自分を受けいれること、つまり「不完全な自分をそのまま認めること」から始めてみてほしいと思います。
「こんなダメな自分に育てられたら娘がかわいそう」と思いながら接すると、子どもにとってもよくないと思います。
自分は不完全だと自己受容したうえで、だったらどうするかを考える方がよほど建設的だと思いませんか?
ひとり親でも未来は変えられる。不安を減らすためのアドラー的視点
原因よりも目的にフォーカス
自分はなぜ離婚をしてしまったのか?と原因を探ることは、今後再婚する可能性を考えたらある程度はした方がいいかもしれませんが、考えたところで事実は変わりません。
一方、ひとり親だけど楽しい家庭を作ることを目的と決めて、そのためにはどうしたらいいかを考えて行動していけば、明るい未来が待っている可能性は十分にあります。
そう考えた時に今できることはなんでしょうか?
いろいろな不安はあると思いますが、まずはそれを一つずつ消したり、整理したりしていくことがオススメです。
例えばお金のことが心配なのであれば、転職を考えるとか、家賃の安いところに引っ越すとかもありでしょう。
手が足りないことが不安なら、いっそ実家に戻って両親の手を借りることも選択肢だと思います。
改めて今、娘と楽しい家庭を作るために必要なことに向き合ってみてください。
その中にはきっと、実際に起こるかどうかはわからない、むしろ冷静に考えたら考えすぎかもしれない不安も見つかるはずだと思います。
理想とプライドに振り回されない
引っ越しや転職など、わかってはいるけどなかなか一歩を踏み出せないことも出てくると思います。
そもそも自分が持っていた理想と違ったり、まるで負けたように感じたりするようなこともあるでしょう。
ただ、それは娘さんと楽しい家庭を築くことを考えた時にどうでしょうか?
目的を果たすことはそんなに簡単なことではないと思います。
でも、絶対にできないことではありません。
人生は長いので、いったん理想やプライドを捨てて今にフォーカスし、のちのち余裕が出てきたら、改めてその時に持った理想に向かっても遅くはないはずです。
長い目で見ていい方向を目指して進んで行ってもらえばと思います。
未来は自分で変えられます。
そう信じて挑戦してみてください。
熊野さん、ありがとうございました!
改めておさらいすると…
ポイント
- ひとり親になったことを、ダメなことだと決めつけない
- 結婚生活がうまくいかなかった不完全な自分を受けいれる
- 目的を明確にして、理想やプライドを置いてできることをやっていく
離婚に限らず、大人だってうまくいかないことはたくさんあります。
そんな時にうまくいかなくても、不完全でも頑張る姿はきっと子どもにとってのいい見本になるはずです。
諦めずに挑戦していきましょう!
著書のご紹介
また、熊野さんのアドラー式コミュニケーションの講座では、家庭はもちろん仕事でも使えるコミュニケーションのコツを学ぶことができます。
「子育てが思い通りにいかない」「仲良くしたいのに夫婦関係がギクシャクしてしまう」「職場の人間関係がうまくいかない」など、悩みを抱える方は自分で解決できるためのコミュニケーション術を学びます。
こちらも気になった方はぜひチェックしてみてください!
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