先日、子どもがいるパパたちに行ったアンケートで、7割以上のパパが出産前に何かしらの不安を感じていたことがわかりました。
多くのパパは「産まれてからはそれどころじゃなかった」という声を聞かせてくれましたが、じゃあ結局産まれるまではその不安をどうすることもできないのか?
「パパになる不安」とどのように向き合っていけば良いのか?
アドラー心理学を基にしたアドラー式子育ての熊野英一さんに、具体的なアドバイスをいただきましたのでご紹介します。
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不安は上手に育てましょう
子育ては誰もが無免許
長い人生の中では、いろいろな段階でライフステージの変化を体験します。
子どもが産まれるということもそのひとつですよね。
ただし、当たり前のことですが、免許制ではなく、全員が無免許のままでスタートするもの。
「これで大丈夫です!」と事前に誰かに太鼓判を押してもらうわけではないので、不安になるのは当たり前かもしれません。
そういう意味では、今回のアンケートで7割のパパが不安だったと答えたのも納得ですよね。
とはいえ、出産はある日突然起こるものではなく、少なくとも妊娠がわかってから一定の期間があるので、準備ができないわけではありません。
不安を感じているのであれば、その準備をしてみるのはどうでしょうか?
パパになる前の不安の正体を探ってみよう
よくいろいろなことに不安になりがちな人が、「私ってネガティブなんです」とやや自虐気味に言うことがあります。
しかし、行き過ぎてない限りは「不安を感じる=ネガティブ」であることが、必ずしもマイナスとは限りません。
不安になりがちな人はおそらく繊細で、わからないもの、やったことがないものに対しての恐れを感じていると思います。
ただし、それはある種リスクを見つけることができる「才能」でもあるとも言えます。
ここはひとつ、その才能を利用してみましょう。
「よくわからないから不安」というのは、きっと多くの人が感じることです。
では、何がわからないのか?掘り下げてみましょう。
アンケートの結果にもあったように「お金のこと」「キャリアのこと」「子育てのこと」と様々だと思いますが、さらに「お金の何が不安なのか?」「キャリアの何が不安なのか?」「子育ての何が不安なのか?」まだまだ細分化できるはずです。
例えば一番多かった「子育てのこと」であれば、オムツ替えなどのお世話の仕方や子どものカラダの扱い方、泣いた時の対応の仕方などいろいろありますよね。
これらは、ある程度かもしれませんが、自分で調べることも可能です。
ネットでも本でも情報はいろいろあります。
つまり「不安」を突き詰めると、「今自分が調べた方がいいこと」が明確にわかってくるのです。
そして、学ぶことで不安は少しでも軽くなるし、いろいろなことに対応できるようになってくると思います。
大切なのは「不安を不安のままにしないこと」。
上手に育てて「学びのポイント」にすれば、きっと前に進むことができると思います。
なぜ不安なのか?と原因を探るのではなく、どうしたら不安を払しょくできるか?
と考えるのは未来志向のアドラー心理学では「建設的な対応」として、子育て以外のことでも通じるものです。
子育ては始める前からひとりでしないこと
周りの人を頼ってみよう
仕事で新しい部署に異動した時など、あなたはどうやって仕事を覚えますか?
前任の担当者や同僚、上司、いろいろな人に聞きながらそれを実践しながら体得していくのが一般的な方法だと思います。
子育ても同じ。
家族・友人の他に、子育てを経験している人や産婦人科の先生、助産師さんといったプロに話を聞いてみれば、自分一人では気づかなかったことを知ることができる場合もあるはずです。
多くの先輩パパママが言うように、子どもが産まれてからはとにかくやることが多くて時間がありません。
だったら産まれる前の方が時間を取るチャンスだとも言えます。
また、そうやっていろいろな人やサービスを頼って不安を払しょくする経験ができれば、子どもが産まれた後も、何か不安なことが起こった時に解決していく練習になると思います。
自分たちだけでなんとかしなければいけない、というわけではありません。
もっと広く、社会全体を頼っていきましょう。
インプットしたら共有も大切
また、自分ひとりで知識を集めるだけでなく、妻に共有していくことも大切です。
二人で学んだ方がたくさんの知識を得ることもできますし、何より知識のギャップによるすれ違いも予防できると思います。
また、例えそれぞれが学んだ知識がちょっと違ったとしても、どっちが正しいか?という議論をするのではなく、いろいろなケースや考え方があることを認識しましょう。
その上で、我が家はどの考え方を採用するか?とにかく夫婦で協力関係を築いた上で、話し合って一緒に決めていくことを大切にしてほしいと思います。
本やネット、動画など調べる方法はいろいろあって情報もたくさんあります。
でも、そのすべてを鵜呑みにしないことも大切です。
情報はあくまで参考。最後に決めるのは自分たちです。
子育ては自分たちも育ててくれる
生命が誕生することは、本当に素晴らしいことです。
まずは何よりそれを喜んでもらえたらと思います。
勉強して得た知識を基にロジカルに計画を立てていても、子育てでは予想がつかないことが信じられないくらいたくさんあります。
そのことにどれほど好奇心を持って前向きにトライしていくか?
「育児」のことを「育自」と表現する人もいますが、子育てで予想外のことに対応し続けることで、きっとあなたもこれからやってくる予想外の出来事に対応できるようになっていくと思います。
産まれてくる子どもと一緒にパパもママも、元気にすくすく育っていってください!
熊野さん、ありがとうございました!
改めておさらいすると…
ポイント
- 不安を掘り下げて、学ぶべきことを明確にする
- 自分ひとりでやろうとせずに周りの人やサービスを頼る
- 学んだことは妻と共有し、ギャップやすれ違いの予防をする
- 情報は参考にとどめ、どうするかは自分たちで決める
子どもが産まれる前は、不安だからこそネガティブな情報に注目してしまうことが多いと思います。
でも、実際はとにかくかわいいし、面白い、楽しいこともたくさん!不安と上手に付き合って、楽しい子育てライフを送ってください!
また熊野さんのアドラー式コミュニケーションの講座では、家庭はもちろん仕事でも使えるコミュニケーションのコツを学ぶことができます。
「子育てが思い通りにいかない」「仲良くしたいのに夫婦関係がギクシャクしてしまう」「職場の人間関係がうまくいかない」など、悩みを抱える方は自分で解決できるためのコミュニケーション術を学びます。
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