子どもの行き渋りに親はどう対応したらいい?無理に学校へ行かせない関わり方

新年度が始まってすぐ、子どもが「学校に行きたくない」と言い出すと、親としてどう対応すべきか迷ってしまうもの。

受け止めたい気持ちはあっても、「休ませていいの?」「無理に行かせないほうがいい?」とモヤモヤするパパも多いはずです。

今回は、わが子の行き渋りに悩むパパからの相談に、不登校の支援活動やフリースクール「ビリーバーズ広尾」の運営経験もある、アドラー式子育ての熊野英一さんが回答。

親の対応と声かけのヒントをアドラー心理学の視点で解説します。

子どもの行き渋りで親がモヤモヤするのはなぜ?

質問者

この4月に3年生になった息子は、急に学校に行きたくないというようになってしまいました。

理由を聞いても言わないし、正直「学校に行け!」と言いたくなりますが、それが良くないのというも聞くので言えず、モヤモヤします。

親としてどうしたらいいでしょうか?

これは多くの人が悩んでいることだと思います。

小学校に限らず、保育園や幼稚園、さらにはもっと大きくなった中学や高校でも起こりうること。

親としての対応を考えていきましょう。

「学校は行くもの」と思う親がモヤモヤしやすい理由

きっと多くの人が知っていることだと思いますが、小中学生の不登校の人数に関するデータを見ると、12年連続で増加していて、今や35万人くらいとなっています。

さらに不登校の定義に当てはまらない「保健室登校」や「五月雨登校」も合わせると、その数はさらに増えると考えられています。

今の親世代は、それこそ「皆勤賞」に価値があると教えられてきて、毎日学校に行くのは当たり前のことと感じているはずです。

そして、その親からは「学校に行け!」と問答無用に言われてきたと思います。

しかし、今は無理やり行かせるのは良くないとか、その必要はないという情報が多く見受けられて、まるで自分たちが納得できなくても頑張って行ってきたことを否定されているような感覚になるかもしれません。

実際に不登校支援の活動をしてきて、多くの保護者に会ってきました。

私たちも「学校に行け!」とは言わなくていいとお話しますが、腹落ちしていない様子の保護者も一定数います。

その気持ちはよくわかります。

「昔は普通に行っていた」は思い込みかもしれない

人間の気持ちや体調にはアップダウンがあるもの。これは大人も子どもも同じです。

明確な理由がなくても「今日は行きたくない」という日は、大人にも子どもにもあると思います。

問題はそんな時でも無理やり行くべきかどうか。

先ほど、データでは増えているとお伝えしましたが、確かにカウントされる人数を見るとそうなのかもしれません。

ただ、かつては「本当は行きたくないのに無理をして行っていた」という人がかなりいたのではないかと推測できると思います。

「昔は行き渋りなんてなかった」と感じているかもしれませんが、それは思い込みかもしれないので手放した方がよさそうです。

「休みたいと言ったら親に怒られる」「甘えていると言われる」そんな恐怖を感じながら学校に行った経験は本当に良かったでしょうか?

それであなたは強くなりましたか?

実際に簡単に休まない精神力が付いたと感じている人もいるとは思いますが、その結果、無理をし続けて壊れてしまう人もいると思います。

本当にそれでいいのでしょうか?

子どもを無理に学校へ行かせない関わり方とは

大切なのは親子の上下関係をつくらないこと

約150年前に生きたアドラーはこんな言葉を残しています。

アドラー心理学のポイント

「家庭と学校が目指すのは、子どもに仲間意識と平等の心をはぐくむことだ」

ここで言う「平等」とは「フラットな関係」。つまり上下関係ではなく対等な関係です。

ところが思い返してみると「学校に行け!」と命令されて、しぶしぶそれに従うというかつて多かった親子関係は、明らかに上下関係になっています。

このように支配された状況で育つと「命令に従えばいい」と、自分で考えることをやめてしまいます。

また、常に「支配する側」と「支配される側」という上下関係がある人間関係を、意識する人になってしまうことも考えられます。

アドラーは、本来人間に上下はなく同じ人間としてどっちも尊重すべき存在であり、互いに貢献して協力していく「共同体感覚」を大切だとしています。

そして、自分が尊重されて平等の意識をはぐくんできた人こそ、周りを高圧的にコントロールせずにフラットな関係を築ける人になっていくと思います。

一方、子どもの不登校を容認することに対して「甘やかしている」とか「子どもの言いなりだ」といった声もあります。

もちろんそんなことはない、とも言いたいところですが、過度に子どもの要求に応えすぎてしまうことも、良くないことです。

この場合「子が上、親が下」という逆の上下関係になってしまっているからです。

どちらが上だとしても、対等でない関係は適切な関係とは言えません。

親ができる対応と声かけのヒント

子どもに対して、対等な位置からかける声かけを心がけることをオススメします。

「今、どんな気持ち?」と率直な心情を聞いて共感し寄り添うのもいいですし、話したくないようであれば、そっとしておくのもいいでしょう。

ポイントは子どもを尊重すること。

どんな言葉が返ってきたとしても、ジャッジすることなく受け止めることです。

そのうえで、折れてしまっている心にやさしく手を差し伸べてみてはどうでしょう?

例えば、家の中でも子どものできることをお願いして、貢献する経験を積んでもらうのもいいでしょう。

誰かの役に立てると感じることは心が元気になることにつながります。

また、自分が役に立てると感じられる場所は、居場所と感じられると思います。

これだけ多くの子どもや大人も含めて、行きたくないということは誰にでもあり、花粉症くらい防ぎようがないものです。

あまり身構え過ぎずに長い目で見て付き合っていけばいいと思います。


熊野さん、ありがとうございました!

改めておさらいすると…

ポイント

  • 昔は行き渋りはなかったという思い込みを手放す
  • 支配やコントロールを目的とした上下関係から脱する
  • 子どもを尊重して対等な位置からの声かけと共感をしてみる

行き渋りや不登校を自分ではあまり経験したことがない親も多いと思います。

ただ、長い人生で考えたときに一定期間学校に行けなかったとしても挽回はできると思うので、そのくらいの余裕をもって対応していければいいと思って臨みましょう!

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