共働き家庭の子育ては、家事、子育て、仕事とやることが本当にたくさん。
時間に追われる中で、全部を完璧にこなそうとすると本当に大変で、時には苦しくなってしまうこともあるでしょう。
この状況から脱して楽になりたい、完璧主義をやめるにはどうしたらいいのでしょうか...?
アドラー式子育ての熊野英一さんにアドバイスを聞きました。
完璧主義は子どもの頃の経験が影響している可能性も
5歳と3歳の娘を子育て中です。
共働きで本当に時間がないのですが、全てに手を抜くことができない性格なので、完全にキャパシティを超えているように感じていて苦しいです。
どうしたら楽になれるでしょうか?
まずは何より毎日お疲れ様です。
いろいろなことに日々頑張っている様子が伝わってきます。
お話を聞く限り、全てのことを完璧にこなさないと気が済まない、いわゆる「完璧主義」という傾向があるように感じます。
アドラー心理学では、性格や人格のことを「ライフスタイル」と呼び、それはおおむね10歳くらいまでに、自分はこのキャラでいこうと決めていると考えます。
このライフスタイルは、当然人によって違うもので、どれがいい、どれが悪い、というものではありません。
また、あくまで基本的な方向性なので、その後の人生の中で多少なりとも変わっていくこともあります。
多くの場合、そのライフスタイルを選ぶに至るまでの経験が影響しています。
あくまで推測にはなりますが、質問をしてくれたパパは、子どもの頃に何かを完ぺきにこなしたことで認められたり、自分自身が達成感を得られたり、という経験があって、それを大事にしてきたのではないかと思います。
それが、楽しんでできているうちはいいのですが、過度なプレッシャーになってしまったり、体力的に追いつかない事態になった場合には、少し立ち止まって考えてみる必要はありそうです。
完璧主義を貫くかどうか?“自分で選ぶ”
アドラー心理学では、すべての行動や思考は自分で決めている、つまり「自己決定」のもとにあると考えます。
質問をくれたパパのそもそものライフスタイルである「完璧主義」もまた、最終的には「自分はこのキャラでいこう」と自分で決めたもの。
ただ、それで自分がツラいと感じるならば、そのライフスタイルをマイルドにするかどうかを決めるのも自分自身です。
まずは、ちょっと冷静に考えてみましょう。
あなた自身が完璧を求めて行動するのは、そうすることでうまくいくと感じているから。
なので、きっと裏を返すと、完璧ではないとうまくいかなくなると感じているのではないかと思います。
そうなると、完璧を手放すことが怖くなる、そういう気持ちがあるのではないでしょうか?
でも、「完璧じゃないとうまくいかない」とは限りません。
周りを見てください。
完璧じゃなくてもうまくいっている人はいるはずです。
むしろ、世の中には完ぺきな人なんていないと思います。
いろいろなことに手を抜かずに、完璧を求めて取り組むこと自体は決して悪いことではありません。
ただ、それで自分が苦しくなったり、または周りの人にも完璧を求めてしまったりと、悪い影響が出るようなことがあれば、それは本末転倒です。
このまま完璧主義を貫くのか?それとも少しだけ手を抜いてみるのか?
それを決めるのもあなた自身です。
ただ、いきなり大きく方向転換をするのはとても難しいことなので、小さいことから練習していくといいと思います。
それも踏まえてどうしていくか考えてみてください。
熊野さん、ありがとうございました!
改めておさらいすると…
ポイント
- 自身の性格や人格を表すライフスタイルは10歳くらいまでに決まる
- ライフスタイルは自分で決めているもの
- 自分のライフスタイルで良くない影響が出ていると感じたら、そこからどうするかも自分で決める
自分で決める、ということは責任も伴うことで勇気が必要だと思います。
でも、未来に向かってどうしていきたいかを踏まえて、前向きに取り組んでみてください!