ママたちに比べて、パパは同じ子育てをする親同士の接点が少ないと言われます。
とはいえ、やっぱり同じような立場で悩み相談ができる「パパ友」が欲しいというパパも多いのが事実。
仕事や家庭で忙しい中、いったいどうしたらパパ友ができるのか?
「パパ友の作り方」について、アドラー式子育ての熊野英一さんからアドバイスをもらいました。
「パパ友ができない」のではなく「しない」を選んでいる?
でも、仕事や家庭のことで忙しく、また出会いのチャンスも少ないのでパパ友ができません。
どうしたらパパ友ってできるんでしょうか?
当たり前のことですが、人はそれほど強くないので、すべてのことをひとりで決めて、ひとりで動いていくのはなかなか難しいこと。
だからこそ困ったときに相談できる仲間の存在は、生きていく上ではとても重要です。
例えばそのひとつがパパ友。
同じように子育てをしている仲間がいれば、孤独感も減りますし、何より気持ちの面でとてもラクですよね。
アドラー心理学では、人のすべての行動は自分で決めている=自己決定していると考えます。
つまり、よくいろいろなシチュエーションで「〇〇できない」と言うことがありますが、それは「〇〇しない」と自分で決めているということ。
今回の質問に照らし合わせると、「パパ友ができない」のではなくて、「パパ友を作ろうとしていない」と言い換えられます。
もちろん、そんなことはない!と思っているかもしれませんが、よくよく考えてみると、心当たりがあるはずだと思います。
ちょっと違う例で言えば「禁煙できない」「ダイエットできない」という人がいますが、同じような状況だったとしても必ずしも全員ができないかというと、成功している人もいるわけです。
勇気をもって一歩を踏み出し、何かを変えようとしたり、変わろうとしたりすることはとても大変です。
ガマンや、頑張る必要があることが多いからです。
実際はそのまま変わらない方がずっとラク。
だから、変わらないことを選んでいるのかもしれません。
そして「できない」という理由=言い訳を探すことは意外と簡単だったりします。
今回の質問でも、「仕事が忙しい」「家庭が忙しい」「出会いがない」と言っていますが、その理由があることで正当化できてしまうのです。
と、ここまで書くと、質問してくれたパパについては「四の五の言わずにパパ友を作る努力をすればいいじゃないか!」ということのように感じるかもしれませんが、それはちょっと乱暴。
では、どうすればいいのでしょうか?
いきなり仲良いパパ友を作ろうとしなくてもいい
プライベートでも仕事でも、「やりたい」と思っていてできないこともあれば、実際に一歩踏み出してやっていることもあると思います。
それは、何が違うのか?それはもしかしたら優先度かもしれません。
もちろん、質問のパパのパパ友が欲しいという思いは本当だと思います。
しかし、現時点で優先度が高い仕事や家庭のことをおさえてまでも欲しいか?というと、実はそこまででもないのかもしれないのです。
だからこそ、動き出さないという選択をしていることも考えらえます。
なので、一度やりたいことややったほうがいいことを書き出してみて、その優先順位を考えてみることをおすすめします。
その上で、やっぱりパパ友が必要だと思うのであれば、やはり何かしら現状を変えてアプローチをしていく必要はあると感じます。
ただし、いきなり見ず知らずのパパに話しかけて「パパ友になってください!」なんて言うのは、本当にハードルが高いこと。
おそらくそんなことができる人の方が少ないでしょう。
また、仮にそれでパパ友になったとしても価値観や考え方が違って、求めていたような共感や悩み相談ができない可能性だってあります。
「パパ友ができれば、気持ちがラクになる」というのは、パパ友がいない時点では妄想でしかないのです。
であれば、まずはすでに知っている人の中で、同じように子育てをしているパパとの交流する機会を作るのもありでしょう。
学生時代の友人とか、会社の同僚、先輩や後輩でもいいですよね。
同じパパである人と話してみて練習するのもいいと思います。
その上で、同じ地域のパパや、子どもが保育園や幼稚園に通っているのであれば、そこで見かけるパパにアプローチするのも手だと思います。
それも、やっぱりいきなりパパ友を打診するのではなく、スタートは小さいことがおすすめ。
まずはあいさつをすることから始めて、慣れて来たら子どもの話を少ししてみたり、近所のお店の話をしたり、少しずつ話せるようになればいいと思います。
そうすると、きっと別のタイミングで公園に行ったときや買い物に行ったときにバッタリ会って、そこからグッと距離が近づくこともあります。
このバッタリ会うまでに一度も話したことがないのと、あるのでは雲泥の差があると思いませんか?
この小さな一歩を踏み出せないケースの多くは、「失敗したくない」とか「うまくいかなかったらどうしよう」という心配などがあると思います。
ただ、今までいろいろなことに挑戦してきたパパなら、本当はわかっていると思います。
「こういうときはきっとうまくいかない」というのは一種の呪いのようなもので、実際は心配したことが必ず起こるとは限りません。
むしろ起こらないことの方が多いと思います。
また、例えうまくいかなかったとしても、生活が立ち行かなくなったり、生き死に関わるような大問題になるケースなんてほとんどありません。
今回で言えば「パパ友を作ろうと話しかけたけど、いい反応じゃなかった」というだけですから。
こうして冷静に考えてみると、実は失敗しても大したことではない、ほんのちょっとしたことであることがわかったのではないでしょうか?
もう一度考えて本当にパパ友を作ることが自分にとって必要だと感じるなら動き出せばいいし、今はそこまで無理をしないでもいいかなと思うのであれば、そのままでもいいです。
結局、決めるのはあなた自身。
パパ友がいないと子育てができないというわけではないですし、何なら親身になってくれる友達がいればパパじゃなくたっていいのかもしれません。
そのくらいの気持ちで考えてみてください。
熊野さん、ありがとうございました!
改めておさらいすると…
ポイント
- アドラーでは行動は自己決定と考える。なので「できない」のではなく「しない」を選んでいるのかもしれない。
- パパ友を作ることの優先順位を改めて考えてみる
- やっぱりパパ友が欲しいのであれば、小さいことからはじめてみる
こういう時に何も言わずに不機嫌な態度を示す人も結構いると思いますが、それもまた解決には繋がりません。
また、「どうせ言っても無駄」という決めつけもあるかもしれません。
丁寧に伝えることで相手がすんなり理解してくれることだって意外とあるはずなので、そこはいったん相手を信じてみることが必要かもしれませんね。
以前、「パパしるべ総研」にてパパ200人にパパ友に関するアンケート調査を行いました。
こちらで、
- パパ友は必要か?
- どうやってパパ友を作っている?
- パパ友とはどのような付き合いをしているか?
についてリアルなパパたちの声を聞きました。
ぜひ下記の記事も併せて読んでみてください。
-
-
パパ友は9割が必要と回答!パパ友の作り方やメリットはどんなところ?
子育てをしている20代〜50代のパパ200人に、LINE参加型アンケートコミュティ「パパしるべ総研」で毎週アンケートを実施。パパたちのリアルな声を見てみましょう! あわせて読みたい 夫婦喧嘩を子どもの ...