仕事に家庭に忙しい子育て世代。
なかなかうまくいかないと、ついつい愚痴りたくなることもありますよね。
でも、親の愚痴を子供に聞かせるというのはどうなんでしょう?
子供の成長に与える影響も気になりますよね。
そこで、今回は子供に愚痴ってしまいがちなパパに、アドラー式子育ての熊野英一さんからアドバイスを聞きました。
愚痴をこぼしてしまう自分をまず受け入れる
最近、子どもと一緒にいる時に愚痴ってしまうことが増えていて、これって良くないと思い気になっています。
やっぱり子どもに愚痴るのはダメですよね?
「やっぱり○○はダメですよね?」という質問はよくありますが、ぶっちゃけこちらとしては「ダメだと思うならやめなよ」と言いたくなります(苦笑)。
でも、実際はそう簡単にいかないものとわかっていますので、一緒にどうしたらいいか考えていきましょう!
感情は自分のパートナーである
アドラー心理学では「いかなる感情も自分のパートナーでそこに上下はない」と考えます。
その感情というのはもちろん陰性感情、つまりネガティブなものも含めて。
「うれしい」「楽しい」などポジティブな感情について肯定しやすいですが、「苦しい」「悲しい」といったものは受け容れがたいと感じる人が多いと思います。
しかし、誰にだってネガティブな感情を持つことはあって、それ自体が悪いことではないと考えるのです。
感情を全部無くすことはできません。
であれば、上手に付き合っていく必要がありますよね。
また、「自己受容」も重要です。
ネガティブなことを考えた自分を否定するのではなく、「それもまた自分」と受け容れて、その上でそこからどうするかを建設的に考えていくことこそ前向きに進んでいくことに繋がります。
絶対にダメなことは意外と少ない
そう考えると、まずネガティブな感情を抱いて愚痴るということは、「絶対にダメ」とは思いません。
愚痴ることで気持ちが少し落ち着くこともあります。
「愚痴は絶対にダメ」と思い込んでいると、ただでさえ落ち込んでいるというのに、それを吐き出したことでさらに落ち込むことになりかねません。
物理的に人を傷つけることなどを除けば、実は「絶対にダメ」ということはそれほど多くはないはず。
ほとんどは「親はちゃんとしていないいといけない」などの思い込みから来るものだと思います。
まずは、自分はもちろん周りの家族なども含めて、「絶対ダメ」というものを極力減らして考えることで余白をもった対応ができるようになると思います。
なぜ子どもには愚痴を言いやすいのか?
子どもが嫌がるならやめた方がいい
気にされているのは、その愚痴をこぼす相手が子どもであること。
もちろん、親の愚痴を聞くのが嫌だという子どももいます。
それに、愚痴っている親の姿を見て「自分は迷惑をかけないようにしないと」と感情を出せなくなるケースも考えられます。
少なくとも日常的に愚痴をこぼし続けることは良くない影響が出やすいと思いますし、それは聞くのが子どもでなくても関係が悪化することになりえるはずです。
一方で、子どもが聞き上手というケースもあります。
例えば、落ち込んでいるパパやママの姿を見て「どうしたの?」と聞いてくる子もいると思います。
そんな時に「なんでもないよ」「全然大丈夫」と強がる必要はありません。
時には素直に「ツラい」「苦しい」と感情を伝えることで、子ども自身も感情を上手に出すことを学ぶ場合もあります。
少なからず親の行動は子どもに影響するものですが、自分は良くないと思っていることでも必ずしも悪い影響を与えるものではないこともあるので、決めつけないようにしたほうがいいでしょう。
愚痴を聞いてくれる大人も見つけよう
ただ、気になるのはなぜその愚痴を子どもにこぼしてしまうのか?というポイントです。
もちろん、物理的に一緒にいる時間が長い、また落ち着いて考える時間にたまたま近くにいるのが子どもであれば、それは問題ないと思います。
しかし、パートナーや同僚、友だちなどにも言える環境があるのに言わず、子どもにだけ言っているのであれば、気になります。
あくまで想像ですが、きっと子どもに愚痴ってもそれを否定することはなく、聞いてくれることでしょう。
ちゃんと理解しているかどうかはわかりませんが。
一方で、大人たちに同じことを愚痴ったときに、反論されたり、否定されたりする可能性を感じているところはありませんか?
もしかしたら、それが子どもに愚痴ることに繋がっているかもしれません。
気が弱くて反論しない部下ばかりを飲みに連れて行って愚痴る人は周りにいませんか?あれと同じですよ。
子どもなら反論されないから話す、もしくは言い返してきても「大人のこともわかってないのに!」と言い返せるような環境は、少なくとも親子の間に上下関係がうまれていますし、子どものことをひとりの人間として尊重できていません。
これは考え直した方がいいのではないでしょうか?
子どもを逃げ道にすることはあなたにとってラクでも、子どもにとってはたまったものではありません。
まずは、大人とも対等に話せるような関係を作る努力をしてもいいと思います。
反論や否定は、言われた時は落ち込むかもしれません。
でもちょっと引いて見ると、目を背けていたことと向き合うことや、考えを広げるチャンスとも受け取れます。
その行動は勇気が必要ですが、きっと長い目で見れば前進することにつながるはず。
自分のメンタルを守るためには愚痴ることも必要かもしれませんが、少し落ち着いたらその状況を少し俯瞰して眺めてみながら、次に進む方向を考えてみることをオススメします。
熊野さん、ありがとうございました!
改めておさらいすると…
ポイント
- ネガティブな感情もパートナー。受け容れながら上手に付き合っていきましょう
- 愚痴ることは絶対にダメなことではない
- 反論しないから子どもに愚痴るのは、子どももたまったものじゃないのでやめましょう
- 反論を恐れずに勇気を持って大人とも話してみると、考えが広がるかも
子どもへの影響を考えると、どんなことを話すかは気になるところです。
でも、たった一言で子どもに激しい悪影響を与えるということもなかなかなさそうなので、少し肩の力を抜いてもいいかもしれませんね。
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