パパもママも共働きで、仕事に育児に大忙し。
そんな家庭も多いんじゃないでしょうか。
そういった中で、明らかに落ち込んでいたり疲れている様子の妻を見たら、夫としてはどのように元気づけたらいいのでしょう...?
今回は1月31日の「愛妻の日」を前に、妻を元気づけるためのコツについて、アドラー式子育ての熊野英一さんにアドバイスをもらいました。
妻にかける言葉の内容よりも重要なこと
最近浮かない顔の妻が心配
最近、妻は仕事が忙しそうで、しかもどうもうまくいっていないことがある様子。
帰ってくると浮かない顔をしています。
そんな妻を元気づけたいと思うのですが、どのようにすればいいのでしょうか?
まずは何より、妻の様子がいつもとは違うことに気づけていることが素晴らしいと思います。
相手のことをちゃんと見ているからこそわかることで、実はそこからおざなりになっている夫婦も多いと思います。
妻に限らず、子どもや職場などいろいろなところで落ち込んでいる人を見かけると、多くの人は「なんて声をかけたらいいんだろう?」と悩むと思います。
もちろん言葉の力は大きくて、何気ない一言で気持ちがガラッと変わったりすることだってあると思います。
ただ、実際のところはなかなかそんな100点の言葉を見つけるのは難しい。
むしろ奇跡に近い確率かもしれません。
効果的なのは話を聞いてあげること
それよりももっと効果的な方法は「話を聞くこと」です。
元気がない、落ち込んでいる、困っている、イライラしている、といった状況にあるときは何かしら胸の中に抱えているもの。
それを吐き出すことは、劇的なV字回復にまでなるかはわかりませんが、きっと少しは気持ちがラクになることに繋がるのではないでしょうか?
子育て中の夫婦であれば、普段妻が担当している家事や育児の一部を代わってあげることも、体力的なサポートやリラックスする時間を作るためには必要だと思います。
ただ、大切なことは心のケアにはつながりにくいところだと思います。
いっそ、二人でその日は家事をお休みして(許容範囲はあると思いますが)とにかく妻の話を聞く時間にあててみてはどうでしょうか?
妻自身が今、どんなことにぶつかっていて、どう感じているのか?
そんなことを少しずつでも話していると、話している間にだんだん整理がついてきて、少し元気を取り戻しているというのもよくあること。
「がんばりな」とか「大丈夫だよ」とあなたが言わなくても復活するケースも珍しくないと思います。
ただ、難しいのはちゃんと「話を聞けるか?」ということです。
妻の話を聞くのに大切な2つのこと
言い争いをしている時のことを思い出してみてください。
「ちょっとまだ話の途中!」とどちらかが言っていることはありませんか?
話を最後まで聞くというのはなかなか難しいものなのです。
特に気をつけなくてはいけないことは2つ。
途中で話を遮らない
一つは、今の例のように途中で話を遮らないこと。
話を聞いていると、途中でツッコミを入れたくなることは本当にたくさんあります。
この時に、先にツッコんでしまうと、話したいことが止まってしまいます。
これは大きなストレスになりがち。
また、実際に口に出さなくても「それはこうなんじゃないかな」など頭の中で自分の考えを展開してしまうことも良くありません。
物理的には話しを遮ってはいませんが、話に集中していない状態になってしまいます。
とにかく話を聞くと決めたのであれば、自分の考えはいったん置いておいて、遮ることもなく最後まで聞く、これはかなりの覚悟が必要だと思います。
もちろん、妻が話しながら混乱していたり、言葉が出てこなかったりするときにちょっとサポートしてあげるのはいいことだと思います。
それは話しをスムーズにするための円滑油ですから。
解決しようとしない
そしてもう一つは、アドバイスをしないこと。
一般的に女性は共感脳で男性は解決脳だから、思わず解決に向かってアドバイスをしてしまうと言います。
きっとそこは男女差だけではないと思います。
男女どちらも客観的に聞いている方は、アドバイスが出やすい環境なんでしょう。
ただ、問題はどんなにそのアドバイスが的確だったとしても、本来の目的である「心の内を吐き出すこと」からは少しずれてしまう部分があります。
また、アドバイスをするということは、間違っていることを指摘しているようにも感じやすく、話している内容を否定されたように感じることもあるでしょう。
このように話の内容をジャッジされる状況だと、人はなかなかホンネや言いたいことを言うことができなくなります。
この2つをしっかりとこらえて「聞く」ということに徹することで初めて相手に共感できるのです。
意見を伝える前に必ず確認を
話しを聞いた後、きっとあなたの中に「もっとこうしたらいいのに」とか、「別の視点で見るとこんなところもあるのに」といった思いが浮かんでくることもあると思います。
そんな時は、いう前に必ず確認をすることをオススメします。
「ちょっと感じたことがあるんだけど、伝えてもいい?」
「僕からのアドバイスは必要?」
など、先に言ったうえで相手の了承を得られた場合だけ、伝えるようにしてみてください。
ただし、例え了承を得ていたとしても、ズバッと言いすぎてしまうことはあまりオススメしません。
まずは、そもそも前提としてしっかり信頼関係が築けていないとただのダメ出しのようになってしまうこともあります。
また、言い方としても「もしかしたら」とか「間違っているかもしれないけど」など、あくまで余白を持たせた伝え方がいいと思います。
そもそもプロのカウンセラーでも、家族のカウンセリングは避けると言います。
夫婦でしっかりと話を聞き、元気づけるのはそれほど難しいものなので、出来る限り丁寧に話をきくように努力してみてください。
熊野さん、ありがとうございました!
改めておさらいすると…
ポイント
- 気の利いた言葉をかけるより、話を徹底的に聞く方が元気になりやすい
- 遮ることと、アドバイスをすることはしないようにガマン
- 意見を伝えたいときは、相手に事前に了承を得る
いきなり熊野さんが言うようにできるかというと、わかってはいてもなかなか難しいですよね。
だったら、普段から練習してみるといいかもしれません。
意識して最後まで話を聞いてみると、もしかしたら、いつもいかに途中で話を返していたかに気づくことになる可能性もあると思います。
健闘を祈ります!
また、熊野さんのアドラー式コミュニケーションの講座では、家庭はもちろん仕事でも使えるコミュニケーションのコツを学ぶことができます。
こちらも気になった方はぜひチェックしてみてください!
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